訪問看護制度Q&A
重度の褥瘡の方で、毎日の訪問が必要になっています。
介護保険だと上限単位数を超えてしまうので、毎日介入は難しく...
特指示(特別訪問看護指示書)で14日間は医療保険で入れることになりました。
たしか重度の褥瘡であれば、特指示は月に2枚発行できると思うのですが...
こちら、認識は合っていますか?
おっしゃるとおり、状態によっては月に2枚の特指示を発行することができます。
「真皮を超える褥瘡(ステージⅢもしくはD3)」であれば2枚発行可能となりますが、記載がありませんか?
ステージⅢと記載がありました!
これであれば、特指示は月に2枚発行してもらえるんですね?
その通りです。
特指示2枚なので、合計28日間は医療保険になります。
*特指示期間外の数日は介護保険になるので、実績の登録は注意しておいてください。結構ミスが起きやすいです。
ありがとうございます。
ちなみに...明らかに状態が悪いのですが、「真皮を超える褥瘡」の記載が指示書になかった場合、どうすれば良いですか?
主治医に相談すると良いですよ。
クリニック等が主治医の場合で、そういった制度を知らないケースもあるので、
・特指示の発行を2枚にできる。そうしなければ、保険内で介入できず、自費で高額の利用費を徴収する必要がある
と相談してみて下さい。実際にステージⅢであれば、記載いただけることが多いです。
余談ですが、「真皮を超える褥瘡は」、特別管理加算の項目にもなります。
指示書に褥瘡のレベルの記載がなかったら、すぐ確認しておきましょう。
最後にですが...
褥瘡のレベルがステージⅡであれば、特指示を2枚発行してもらうことはできないですよね?
はい、その通りです。
あくまで2枚発行可能となるのは、真皮を超える褥瘡(ステージⅢもしくはD3)のケースとなります。
訪問看護指示書に記載のある『褥瘡の深さ』について、
NPUAP分類、DESIGN分類が参考になるケースが多いです。
*今回はステージⅢと記載しましたが、DESIGN分類ではD3以上となります。
重度の褥瘡(真皮を越える褥瘡の状態)とは
① NPUAP分類 : Ⅲ度またはⅣ度
Ⅲ度 : 皮膚全層および皮下組織に及ぶ損傷、筋膜には至らない
Ⅳ度 : 筋肉、骨、支持組織に及ぶ損傷
② DESIGN分類(日本褥瘡学会によるもの) : D3、D4またはD5
D3 : 皮下組織までの損傷
D4 : 皮下組織を越え筋肉、腱などに至る損傷
D5 : 関節腔、体腔に至る損傷または、深さが判定できない場合
参考
Q
【月をまたぐ特別訪問看護指示書の交付について】
褥瘡が真皮を越える状態(ステージⅢ)にある利用者。1/8〜1/21、1/22〜2/4までの2回、特別訪問看護指示書が交付され訪問看護を実施した。継続して頻回の訪問看護が必要な状態であるが、ひと月(この場合2月)に2回特別訪問看護指示書を交付できるか。
A
褥瘡が真皮を越える状態にあり、主治医が継続して週4日以上の頻回の訪問看護が必要と判断すれば、ひと月に2回(この場合2月に2回)まで特別訪問看護指示書を交付できる。
令和3年4月版 訪問看護業務の手引 , 令和3年版 訪問看護実務相談Q&A
熊本県看護協会 訪問看護サポートセンター