訪問看護制度Q&A
難病等複数回訪問加算について教えてください。
こちらの加算、医療保険かつ難病等の場合で、複数回訪問した場合に算定できるものだったと思います。
1回目の訪問が看護師、2回目の訪問が理学療法士などのセラピストの場合、算定は可能ですか?
まず整理で「難病等複数回訪問加算」は難病等の利用者に1日に複数回の訪問看護を行うと算定できる加算で、医療保険の方を対象としていましたね。
そして質問の答えですが、おっしゃる通り、1日に複数回訪問していれば職種に関わらず算定可能です。
ですので、1回目看護師さん、2回目理学療法士さんの場合で算定可能です。
ありがとうございます。
この難病等複数回訪問加算、算定の対象となる利用者さんは
・別表7
・別表8
・特別訪問看護指示書が発行されている
に該当するケースで間違いないですか?
はい、そちらもおっしゃる通りです。
別表7、別表8、特指示ケースが対象となります。
算定する場合は、ご利用者さんに加算算定の了解をとるようにしておいてくださいね。
(加算といっても、2回目以降の訪問は通常の料金よりも低くなるので、喜ばれることが多いですよ)
最後に...
・1回目と2回目がともに看護師のケースはいかがですか?
・1回目が理学療法士、2回目が作業療法士のケースはいかがですか?
2回ともに看護師であっても、難病等複数回訪問加算の算定は問題ありません。
また、
1回目が理学療法士、2回目が作業療法士のケースでも算定可能です。ただし、2回目の報酬は総額が下がるので...セラピストの介入であれば、同日に2回行くよりも別日に設定しておくのがベターだと思いますね。
難病等複数回訪問加算の対象:
以下のいずれかに該当する利用者さん
・特掲診療料の施設基準等・別表第七に掲げる疾病等の者
・特掲診療料の施設基準等・別表第八に掲げる者
・特別訪問看護指示書の交付を受けた利用者
特掲診療料の施設基準等・別表第七に掲げる疾病等の者とは?
・末期の悪性腫瘍
・多発性硬化症
・重症筋無力症
・スモン
・筋萎縮性側索硬化症
・脊髄小脳変性症
・ハンチントン病
・進行性筋ジストロフィー症
・パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る))
・多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレ―ガー症候群)
・プリオン病
・亜急性硬化性全脳炎
・ライソゾーム病
・副腎白質ジストロフィー
・脊髄性筋萎縮症
・球脊髄性筋萎縮症
・慢性炎症性脱髄性多発神経炎
・後天性免疫不全症候群
・頚髄損傷
・人工呼吸器を使用している状態
特掲診療料の施設基準等・別表第八に掲げる者とは?
・在宅悪性腫瘍等患者指導管理
・在宅気管切開患者指導管理
・気管カニューレの使用
・留置カテーテルの使用
・在宅自己腹膜灌流指導管理
・在宅血液透析指導管理
・在宅酸素療法指導管理
・在宅中心静脈栄養法指導管理
・在宅成分栄養経管栄養法指導管理
・在宅自己導尿指導管理
・在宅人口呼吸指導管理
・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
・在宅自己疼痛管理指導管理
・在宅肺高血圧症患者指導管理
・人工肛門、人口膀胱の設置
・真皮を越える褥瘡
・在宅患者訪問点滴注射管理指導料の算定
参考
Q
【難病等複数回訪問加算について】
①がん末期。3時間かけて点滴を実施している。点滴中は家族にみてもらい、訪問看護師が抜針に行く。抜針時にはバイタル測定し、状態の観察を行った。この場合難病等複数回訪問の算定ができるか。
②「厚生労働大臣が定める疾病等の利用者」に、同じ訪問看護ステーションから看護師・理学療法士が、同日に訪問した場合も難病等複数回訪問加算が算定できるか。
③特別管理加算を算定している小児。難病等複数回訪問加算が算定できるか。
A
①抜針時に状態観察を実施しているため、算定できる。
②③とも、算定できる。
ただし、利用者や家族へ難病等複数回訪問加算の説明を行い了解を得る必要がある。
令和3年4月版 訪問看護業務の手引
熊本県看護協会 訪問看護サポートセンター