訪問看護制度Q&A
訪問看護ステーションを立ち上げたいと思っています。
たくさんのお金がかかると聞いているのですが...
実際、開業する場合はどれくらいのお金を準備しておくのが良いでしょうか?
そうですね...
1500万円〜2000万円準備しておくことがオススメと言われていますね。
そんなにかかるものですか?
もう少し安い金額で出来るイメージがあるのですが、安くできるケースはありますか?
実際にかかる金額は下記資料を参考にするとして...
結果的に立ち上げにかかる費用が安くなるケースは
・立ち上げる地域に仲が良いケアマネがいる(案件の紹介先が既にある)
・訪問看護の立ち上げ経験があり、ノウハウが溜まっている
・地域の競合が少ない
あたりですかね。
ただ、それでも開業時の資本金はしっかり準備するべきだと思います。
想定外で依頼が来ないケース、全然ありえます。
黒字化するまでに思ってた以上に時間がかかり、廃業になる...みたいな最悪な状況を避けられるよう、事業計画を作っていきましょう。
訪問看護ステーションの収支モデル(福岡介護事業サポートセンターの例)
福岡介護事業サポートセンターさんが作成している、訪問看護の開業における収支モデルです。個人的には利用者一人あたりの訪問件数が少ないと思いつつ、利用者さんの増えるスピードはだいぶ早いと感じています。ですが、地域特性を考えると(イルカは東京在住)細かい数字については気にし過ぎても意味がないものと思います。
そんなところはありますが、注目したいのはキャッシュフロー表の9ヶ月目。
オレンジ色で「▲14,676」と記載がありますが、要するに開業初年度、一番お金がないタイミングで1467万円赤字になっているということ。
つまり、1467万円準備しておかなければ、運営が成り立たないということになります。
こういった表から、自分の想定する数字を打ち込みながら、かかる費用を計算することで、自分の開業費用の大枠がわかってきます。
ひとまず上記を例として挙げましたが...ネットでの調査を行ったところ
・トータル投資コスト808万円
・開業資金500~1000万円
・開業に必要な資金800~1500万円
などなど、色々と挙がっています。
正直500万円の資本金で開業した場合は、資金繰りに苦労し、後から後悔するのが容易に想像できるので、絶対に避けた方が良いですね。
だいぶイメージが掴めてきました。
ちなみに...イルカさんが開業するならいくら準備しますか?
そうですね...
1500万円を基本に、余裕があれば2000万円まで準備しますね。
(もちろん日本政策金融公庫などを利用してお金を借ります)
ただ、大事なところとして...
①いかに最初に新規案件がもらえる状況を作るか
②自分が営業を徹底してできるか
が大事です。
ここの自信のレベルに応じて、多少資本金の額は増減してもいいのではないかな、とも思います。
大変よくわかりました。
ちなみに実際どんなものにお金がかかりますか?
開業にかかるお金の使い道ですが、かなり大雑把に書きますね。
・法人登録 10~30万円
・指定申請料 3万円
・賃貸の家賃や初期費用 50~100万円
・設備や備品、消耗品 50~100万円
・電化製品 30~70万円
・電動自転車(自動車) 30~200万円
・人件費6ヶ月分 500~1000万円
・広告宣伝費 30~50万円
ありがとうございます。
これでいけば...
上手くいけば1000万円かからずにいけますね。
上手くいけば...
たしかにそういった目線で捉えることもできますが...
・スタッフが退職し採用にお金が必要
・思ったよりも収益が伸びず、給与に支払うお金が足りない
・車が事故して修理代金がかかる
・電動自転車が盗まれた
・すぐ隣に、地域密着で地盤がある訪問看護ステーションができた(新規の依頼が一気に減った)
・スタッフがトラブルをおこしがちで、利用者さんがすぐ他の訪看に移ってしまう
などなど、何が起きるかわかりません。
こういったイレギュラーな事態に対応できるように、お金をしっかり準備することが大事です。
一緒に働いてくれるスタッフの人生に大きな影響を与えます。
その点を忘れないようにしてくださいね。